最近「百日後に死ぬワニ」という4コマ漫画が話題になっていることを、ほんの数日前に知りました。目を通したら、地下鉄サリン事件の起きた3月20日に連載終了(100日目でワニ君が死亡)ということで、ここまであからさまなのはどうなんだろうと思っているところです。
いよいよこの手の呪いもオワコン化してきたのかなと考えれば悪いことではありませんが、最終話13コマ目のラストシーンが気になったので、それについて少し言及しておきます。
画像:「百日後に死ぬワニ」ラストシーン (引用元:ねとなび)
日本と言えば桜の花、そして日本人は桜が咲き誇る姿だけでなく、それが散る姿をも愛でると言われますが、本当でしょうか?確かに、一斉に花を散らす姿は壮観ではあります。
現在、桜の代表格で花見の主な対象となっているのは「ソメイヨシノ」ですが、桜の樹は同種交配しないので、同じ花の樹を増やしたいなら接木などで増やすしかありません。つまり公園や街路樹などで見かけるソメイヨシノは全て江戸時代以降に増やされた同じ個体のクローンなのです。
そしてクローンであるからこそ多様性がなく、各地域毎にほぼ一斉に花を付け、ほぼ一斉に花を散らすのです。つまり、一斉に花びらを散らすあのイメージは近年になって人工的に作られたものなのであり、日本古来の美観とは到底言えないものなのです。
そして、桜の季節が学校の卒業シーズンに重なることから、桜の散る様は「別れ」を想起させ、その「別れ」のイメージが親しい人との別れ、すなわち「死」を想起させるようになってきたのだと考えられます。
軍歌の「同期の桜」などはそのイメージを更に次の様に昇華させています。
貴様と俺とは 同期の桜
同じ兵学校の 庭に咲く
咲いた花なら
散るのは覚悟
みごと散りましょ
国のため
まあ、軍歌ですから死ぬことを美しく見せようとするのは当然ですが、花の散る様を自ら潔く死ぬことのイメージに、それも価値あることの様に見せかけているのは明らかです。
それが良いか悪いかをここで問うつもりはありませんが、これだけははっきり自覚しておいた方が良いでしょう、
桜の花散るを人生の儚さ、死に結び付けるイメージは近年作られたもの
だということを。あるいは何かの意図を持って植え付けられたものと言ってもそんなに言い過ぎではないかと思います。
本来ならば、花が散った後には葉が茂り、実を付ける、樹木の最も命輝く時期を迎えるのです。ですから、花の散るを見る私たちはもっと未来に希望を抱くべきなのです。
「令和」という今の元号は、万葉集の花見の宴の記述から取られたものです。そして、当時花見の対象にされたのは「梅の花」です。梅はまだ寒さが残る季節に仄かな香りと共に春の到来を告げる花です。そして、梅の花を愛でた人々は、その花を見て、それから過ごしやすくなる日々を思い喜びと希望に胸膨らませたに違いありません。
今は令和ですよ。ワニ君はきっとどこかで元気に生きているに違いありません。
※この漫画の簡単な言霊呪術の分析をしたので、ご興味のある方は「皇居を狙え-呪術から見た地下鉄サリン事件」をご覧ください。
Derniers mots pour vous
Les oiseaux parents protègent les petits poussins de toutes leurs forces, mais jamais les jeunes oiseaux n'essayant pas de s'envoler. Voulez-vous toujours rester sur la branche qui s'effondre? Nous sommes sur le point de s'en aller, et nous ne pourrons plus jamais vous aider. C'est votre choix quel que soit le résultat.
Nous pouvons dire au moins que le monde que vous voulez n'apparaîtra que devant vous comme vous regardez en maintenant.
キリストの御国にて記す
管理人 日月土
いよいよこの手の呪いもオワコン化してきたのかなと考えれば悪いことではありませんが、最終話13コマ目のラストシーンが気になったので、それについて少し言及しておきます。
画像:「百日後に死ぬワニ」ラストシーン (引用元:ねとなび)
日本と言えば桜の花、そして日本人は桜が咲き誇る姿だけでなく、それが散る姿をも愛でると言われますが、本当でしょうか?確かに、一斉に花を散らす姿は壮観ではあります。
現在、桜の代表格で花見の主な対象となっているのは「ソメイヨシノ」ですが、桜の樹は同種交配しないので、同じ花の樹を増やしたいなら接木などで増やすしかありません。つまり公園や街路樹などで見かけるソメイヨシノは全て江戸時代以降に増やされた同じ個体のクローンなのです。
そしてクローンであるからこそ多様性がなく、各地域毎にほぼ一斉に花を付け、ほぼ一斉に花を散らすのです。つまり、一斉に花びらを散らすあのイメージは近年になって人工的に作られたものなのであり、日本古来の美観とは到底言えないものなのです。
そして、桜の季節が学校の卒業シーズンに重なることから、桜の散る様は「別れ」を想起させ、その「別れ」のイメージが親しい人との別れ、すなわち「死」を想起させるようになってきたのだと考えられます。
軍歌の「同期の桜」などはそのイメージを更に次の様に昇華させています。
貴様と俺とは 同期の桜
同じ兵学校の 庭に咲く
咲いた花なら
散るのは覚悟
みごと散りましょ
国のため
まあ、軍歌ですから死ぬことを美しく見せようとするのは当然ですが、花の散る様を自ら潔く死ぬことのイメージに、それも価値あることの様に見せかけているのは明らかです。
それが良いか悪いかをここで問うつもりはありませんが、これだけははっきり自覚しておいた方が良いでしょう、
桜の花散るを人生の儚さ、死に結び付けるイメージは近年作られたもの
だということを。あるいは何かの意図を持って植え付けられたものと言ってもそんなに言い過ぎではないかと思います。
本来ならば、花が散った後には葉が茂り、実を付ける、樹木の最も命輝く時期を迎えるのです。ですから、花の散るを見る私たちはもっと未来に希望を抱くべきなのです。
「令和」という今の元号は、万葉集の花見の宴の記述から取られたものです。そして、当時花見の対象にされたのは「梅の花」です。梅はまだ寒さが残る季節に仄かな香りと共に春の到来を告げる花です。そして、梅の花を愛でた人々は、その花を見て、それから過ごしやすくなる日々を思い喜びと希望に胸膨らませたに違いありません。
今は令和ですよ。ワニ君はきっとどこかで元気に生きているに違いありません。
※この漫画の簡単な言霊呪術の分析をしたので、ご興味のある方は「皇居を狙え-呪術から見た地下鉄サリン事件」をご覧ください。
Derniers mots pour vous
Les oiseaux parents protègent les petits poussins de toutes leurs forces, mais jamais les jeunes oiseaux n'essayant pas de s'envoler. Voulez-vous toujours rester sur la branche qui s'effondre? Nous sommes sur le point de s'en aller, et nous ne pourrons plus jamais vous aider. C'est votre choix quel que soit le résultat.
Nous pouvons dire au moins que le monde que vous voulez n'apparaîtra que devant vous comme vous regardez en maintenant.
キリストの御国にて記す
管理人 日月土